さて、血の滲むような術後生活を送りながら、
続いて待ち受けている抗がん剤への対策をちゃくちゃくと練っていました。
私は普段からノーメイク。1度も髪の毛も染めたことないし、おしゃれだって興味ない。
なので抗がん剤の副作用で髪の毛が抜ける事なんて
特に悲しくもなければ怖くもありませんでした。
とりあえず脱毛が始まったら抜けた毛の処理が大変なので
思いきって髪の毛を短く切りにいきました。
お店の人には何回も「ほんまに切ってええん?」と聞かれました。
産まれてはじめてくらい短く切ったので何となく憂鬱な気分も吹き飛びました。
そして私は高額なウィッグを購入せず、ファッションウィッグを購入しました。
1番安いもので1500円(ワンシーズン型遅れのため)、高いもので8000円。
なのでいろいろな髪型のウィッグを6つほど購入しました。
気分や服装に合わせてヘアーチェンジ!!
そして髪の毛も短くカットしたので、さっさくウィッグを被ってお出掛けもしました。
そして2012年10月22日
初回EC療法を行うため入院しました。
採血も済ませ結果OK。
先生に点滴を刺してもらい、看護師さんに車イスで押されながら入院病棟まで行きました。
私は抗がん剤を甘く見ていました…。
抗がん剤をすることに対して不安はありませんでした。
むしろわたしの命を助けてくれる魔法の薬と思ってました。
あと、私が担当した患者さんが、大きな副作用もなく翌日退院していく姿を見ていました。しかもその方は、そのまま友達とランチをして夕方自宅に着くとか…。
なので、そんなに怖がるような副作用なんて自分にはでないと確信していたのです。
余裕をぶっこいで私はお昼ごはんを食べました。
しかも妹にKンタッキーを買ってきてもらって…。
もちろん完食です‼
そしてしばらくして抗がん剤を始めることに。
まずはムカムカ止めの点滴。
そして真っ赤な抗がん剤を一気に流す。
そのあと、透明な抗がん剤を1時間ほどかけて流しました。
透明な抗がん剤をはじめてしばらくして口の中がなんとも言えない気持ち悪さに。
苦いような…
渇くような…
そして少しだけ目が回る感覚に…。
でもまだまだ大丈夫!!
なんとか全行程終わりました‼
これで気が楽になったぞと思ったのもつかの間。
吐きそう…。
気持ち悪い…。
目も開けることができません。
目を開けるとぐるぐる目が回って更に気分が悪くなる。
なので歩くこともできないし、テレビだって見れない。
結局ベッドで寝たきりとなり夕食も食べることができず点滴を24時間することに…。
ようやく口にできたのがペットボトルのお茶と水。
ですが口の中が変な味がするのでお茶も水もまずくて飲めませんでした。
エンドレスで点滴をしてると我慢してもトイレに行かなければなりません。
私の場合、夕方から点滴をはじめてだいたい23時から24時くらい。
部屋のトイレにふらふらしながら歩いていき、
用を足したあと気分が悪くなりトイレの中でうずくまって動けなくなりました。
そんな姿を巡視に来た看護師さんに発見され抱えられながらベッドに戻る
というエピソードを、残り3回の入院の度に繰り返しました。
約3日ほど何も口にできない日が続き、
少し食事ができるようになった5日目にめでたく退院しました。
このパターンは毎回同じで、だいたいの要領を掴んだ私は、
その後の3回の抗がん剤の時は、点滴が終わったらすぐにシャワーを済ませたり、
お茶ではなくポカリを持っていくことにしました。あとはヨーグルトやゼリーも。
そして病室独特の臭いですら気分が悪くなるのでルームスプレーを部屋に噴霧したり、
お気に入りのタオルケットやぬいぐるみを持って入院しました。
そして第1回目の投与が終わり退院してから次々と私の体に異変が…。
主なものだけ書きます。
【関節痛】
投与後7日目に謎の関節痛。
その日の朝は足首が急に痛くなって、捻挫をしたのかな?と思ってました。でもその日の夕方にはあばら骨の辺りが痛く、夕食の頃には首や顎までが痛くなるのです。
翌日の朝は体全体が痛くて階段から降りれないような状態に。
謎の関節痛も約3日ほどで終息しました。
【脱毛】
やってきました13日目の夜。
とくに髪の毛がパラパラ抜けるような感覚はありませんでした。
しかし、お風呂に入りシャワーをすると驚くほどに下の毛が抜ける抜ける…。
「これは!!」
と思い髪の毛を洗うと
ガッサーーーーーーー
と抜けるのです。
恐ろしいほど抜けるのです。
頭からシャワーをすると体全体に髪の毛が海苔の様にへばりつく。
そして排水溝はパンク!!
次々と抜ける髪の毛をどうしてよいのかわからず、
とりあえずタオルで頭を包んで水気を取り、裸のままでドライヤー。
脱衣室も大量の髪の毛で床がホラーな光景に。
髪の毛が乾いたところでケア帽子を被りパジャマを着ました。
こうするとパジャマに髪の毛が付かないのです。
髪の毛が抜けることは悲しくはなかったけど、
裸のまま床にしゃがみこみ自分の抜けた髪の毛を集めている自分の姿が惨めになりました。
そのあとはパラパラ髪の毛が抜けるのが嫌だったので、
ある程度抜けたところで父にバリカンで坊主頭にしてもらいました。
これでスッキリ!!
真冬に髪の毛がないのはすごく寒かったけど帽子や
おしゃれなウィッグでそれなりに楽しく過ごすことができました。
ちなみに体のあらゆる毛が全て抜けました。
髪の毛だけじゃなく、産毛、鼻毛、まつげに眉毛。
つるつるで気持ちよかったです。
そして私は坊主頭がすごく似合ってました。
↑ お風呂前の頭 ↑ お風呂後の頭
【卵巣機能障害?】
抗がん剤を始めるに先だって主治医からは、
抗がん剤のせいで卵巣機能が低下して生理が止まるかもしれないこと。
そして、時に不妊になるかもしれないことを聞かされました。
ってことは抗がん剤をすると、すぐに生理が止まるのか??
実は私の場合、抗がん剤をして半年後まで生理がありました。
生理が止まっていないEC療法の時、少しだけですが体の変化はありました。
真冬なのにとにかく暑い‼
病室は暖房をいれず窓を開け、寝るときもタオルケットだけ。
更年期障害の前触れだったのでしょうか?
そして陰部がとにかく痒かった‼
人によると肛門が痒いとも聞いたことがあります。
デリケートな部分の粘膜が抗がん剤の影響で萎縮してきてたのかもしれません。
そして自浄作用が低くなってたので、驚くようなおりものもでました。
婦人科に行きましたが感染症を起こしているわけでもなんでもないと言われました。
でも膣の粘膜がカラッカラになってたので婦人科での検査が一苦労でした。
経膣プローブが入らないのです。
潤滑ゼリーを大量に付けてもらっても半分ねじ込むようにしないと
プローブが入りませんでした。
すごく痛かったー(T-T)
そんなこんなでEC療法も無事に予定通りのスケジュールで進み
年明けからは次の抗がん剤をすることになりました。
私の場合、EC療法での副作用が強く出たので毎回入院して行いました。
自分で運転して病院へ向かうのですが、またあんな苦しい思いをしなければならない。
そう思うと病院へ行くのが嫌で嫌でたまりませんでした。
泣きながら運転して病院まで向かいました。
自分が抗がん剤治療をするって決めたんだから逃げちゃダメだ‼
そう言い聞かせて病院へ行くのですが、待合室でも涙が止まりませんでした。
地獄のようなEC療法も4回で終わり。
我ながらよく耐えたと思います。
ちょうど最後のEC療法が始まる前に姪っ子1号が
元気に産まれてきてくれました。
はじめは同じハゲ頭だったのに
いつも間にやら姪っ子の方が
髪の毛ふさふさになっていました。
我ながら頭の形が美しい!!!!
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